緊急避妊薬のOTC化~面前服用は人権侵害ではないのよ
みなさんこんにちは、産婦人科専門医の稲葉可奈子です。
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小学生の夏休みがおわり給食が再開して、給食に感謝しきりの今日この頃ですが、
夏休み終盤に、いくつか大きな動きがありました。
その1つが、長年議論されてきた「緊急避妊薬(アフターピル)のOTC化」。
8月29日(金)の夜に、厚生労働省の専門家会議にて、
緊急避妊薬を医師の処方箋がなくても薬局で購入できるようにする方針(OTC化)が了承されました。
【主な条件】
・店舗での対面販売のみ
・研修を受けた薬剤師から説明を受ける
・薬剤師の面前で服用する
・年齢制限なし
年齢制限がなくなったのは本当によかったのですが、
「薬剤師の面前で服用する」という条件に対して、
「女性のプライバシーや心理的負担に配慮して面前服用は条件とするべきではない」
という反対意見があります。
「目の前で内服させるなんて女性を信用してないの?!」と思われる方もいはるかもしれませんが、
実際に臨床現場で緊急避妊薬を処方している産婦人科医の立場からすると、決して女性の人権を侵害するような条件ではなく、むしろ医学的にも女性自身にとっても妥当な条件なのですよ…
というあたりを、ちょっと詳しくお話してみたいと思います。
面前服用=女性の人権を侵害している と思われてしまうと、
侵害されているわけでないのに侵害されていると思ってしまう女性も不幸やし、
侵害しているわけではないのに侵害していると思われる薬剤師さんも不幸です。
でも実際にはそんなことはありません。
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